研究内容

ウイルスは、宿主細胞に侵入し、その機能を利用しながら増殖し、細胞が持つ抗ウイルス機構に抵抗しながら細胞外へ放出されます。私たちは、ウイルス因子と宿主因子との相互作用の役割を一つ一つ明らかにすることで、ウイルスがどのように細胞内で増え、どのように病態を引き起こすのかを理解し、その分子機構を解明することを目指しています。

1. ウイルスによる細胞改変を担う分子機構の解析

ウイルス感染細胞では、細胞内のオルガネラ、細胞骨格、膜構造、細胞内シグナルなどが大きく改変されます。例えば、一部の抗ウイルス因子は、細胞質内の特定の領域に隔離され、ウイルスはその働きを回避します。ヘルペスウイルスは、ヒトに終生続く潜伏感染を引き起こし、再活性化によってさまざまな疾患を引き起こす医学上重要なウイルスです。私たちは、主にヘルペスウイルスに注目し、ウイルスがコードする因子がこれらの劇的な変化を引き起こす分子機構を明らかにするとともに、それらの変化がウイルス増殖や病態発現にどのように関わるのかを解明する研究を行っています。

2. 小胞を介した核外輸送の解析

核内の物質は、一般的に核膜孔を通して細胞質へ輸送されます。一方、ヘルペスウイルス感染細胞では、核内に形成された、ウイルスゲノムを包む殻状の構造体であるカプシドが、ウイルス粒子が完成する場である細胞質へ、核膜に由来する小胞を介して輸送されます。この「小胞媒介性核外輸送」は、非感染細胞におけるRNAとタンパク質からなる巨大な複合体(RNP)の核外輸送や異常核内膜タンパク質の除去においても用いられていることが、徐々に明らかになってきました。一方で、その分子機構は十分には明らかになっていません。私たちは、ウイルス感染細胞と非感染細胞を比較することで、この分子機構を明らかにする研究を行っています。

3. RNAウイルスの複製・病原性発現の分子基盤の解析

核内の物質は、一般的に核膜孔を通して細胞質へ輸送されます。一方、ヘルペスウイルス感染細胞では、核内に形成された、ウイルスゲノムを包む殻状の構造体であるカプシドが、ウイルス粒子が完成する場である細胞質へ、核膜に由来する小胞を介して輸送されます。この「小胞媒介性核外輸送」は、非感染細胞におけるRNAとタンパク質からなる巨大な複合体(RNP)の核外輸送や異常核内膜タンパク質の除去においても用いられていることが、徐々に明らかになってきました。一方で、その分子機構は十分には明らかになっていません。私たちは、ウイルス感染細胞と非感染細胞を比較することで、この分子機構を明らかにする研究を行っています。

4. 病原体感染に対する宿主応答の解析

マウス感染モデルは、ヒトでは実施することのできない病態発現の解析や、薬剤開発を進める上で、欠かすことのできない重要なツールです。私たちは、病原体と宿主の相互作用や、感染に対する宿主応答を明らかにするために、マウス感染モデルを用いた解析を行っています。さらに、新たな感染モデルの構築を目指す研究にも取り組んでいます。これらの感染モデルは、病態発現機構の理解だけでなく、抗ウイルス活性をもつ物質の評価や探索にも役立つと考えています。

5. ウイルス因子・宿主因子相互作用の構造基盤の解析

ウイルスの増殖や病原性発現は、ウイルス因子と宿主因子との特異的な相互作用によって支えられています。私たちは、構造生物学的手法や分子間相互作用解析を組み合わせることで、ウイルス因子が宿主因子を認識し、細胞機能を制御する分子基盤を明らかにする研究を行っています。さらに、得られた構造情報をもとに、ウイルス因子と宿主因子の相互作用を標的とした新たな抗ウイルス戦略の開発につなげることを目指しています。