ご挨拶

ウイルスは、きわめて微小な存在でありながら、さまざまな病気の原因となります。しかし、多くのウイルス感染症に対して、いまだに十分な予防法や治療法が確立されているとはいえません。また、新たな病原性ウイルスの出現は現在も続いており、さらに、すでに知られていたウイルスが新たな病気の原因として「再発見」されることも少なくありません。

ウイルスは、私たち人間と比べればはるかに少ない遺伝子しか持たず、単純な構造から成り立っています。それにもかかわらず、細胞の仕組みを巧みに利用し、自らを増やし、病気を引き起こします。詳しく解析してみると、ウイルスが増える仕組みは驚くほど巧妙で、洗練され、理にかなったものであることがわかります。また、ウイルス感染によって、細胞には通常では見られないような大きな変化が引き起こされます。

私たちの研究室では、ウイルスが細胞を改変し、増殖して、病気を引き起こす仕組み(分子機構)を明らかにすることを目指しています。ウイルスがどのように増え、どのように病気を引き起こすのかを、生物学の理(ことわり)に基づいて説明することができれば、ウイルス感染症のよりよい予防法や治療法の開発につながると信じています。また、ウイルス感染によって引き起こされる現象を深く理解することは、これまで明らかになっていなかった細胞の仕組みや生命現象を見いだすきっかけにもなると考えています。

私たちの研究に興味のある方は、ぜひご連絡ください。バックグラウンドにかかわらず、ウイルスに興味を持ち、研究に挑戦したい方を歓迎します。私たちとともに、新しいウイルス学を切り拓いていきましょう。

広島大学 大学院医系科学研究科
ウイルス学研究室 教授 有井 潤

略歴

2006年3月 東京大学農学部獣医学専修 卒業
2010年3月 東京大学大学院農学生命科学研究科獣医学専攻 修了
2010年4月 東京大学医科学研究所 特任研究員
2010年9月 米国ユタ大学 博士研究員 (2012年9月~ 日本学術振興会 海外特別研究員)
2013年1月 東京大学医科学研究所 助教
2019年8月 神戸大学大学院医学研究科 特命准教授、卓越研究員
2024年8月 神戸大学大学院医学研究科 准教授
2026年5月 広島大学大学院医系科学研究科ウイルス学研究室 教授